夢の通り道 ブロードウェイ  ブロードウェイと銃弾2021

2020年5月 髙木雄也初単独主演舞台「裏切りの街」全公演中止が発表されてから半年、2020年11月5日 とあるミュージカルの制作が発表されました。

 

城田優&JUMP高木雄也がダブル主演 来年5月開幕ミュージカル「ブロードウェイと銃弾」 - サンスポ

Hey!Say!JUMP高木雄也&城田優が初共演でW主演 「プライベートで親交あったのでとてもうれしい」:中日スポーツ・東京中日スポーツ

 

髙木雄也が来る〜〜〜!!

 

 

 

ブロードウェイと銃弾 

あらすじ

舞台は1920年代、禁酒法時代のニューヨーク。

劇作家のデビッド(髙木雄也)はヒット作を出せず、彼女のエレン(愛加あゆ)もそんな彼にイライラを募らせていた。そんな中、とうとうデビッドはかねてからの念願が叶い自分の戯曲をブロードウェイの舞台にかけることになり、大いに張り切っている。しかし、プロデューサーが見つけてきた出資者はギャングの親玉ニック(橋本さとし)。しかもキンキン声でろくにセリフも言えない、大根以下の自分の愛人オリーブ(平野 綾)を主演にするよう要求し、部下のチーチ(城田 優)を監視役として送り込んできた。さらにプライドの高い主演女優ヘレン(瀬奈じゅん)は脚本を書き換えろと色仕掛けで迫り、一風変わった女優のイーデン(保坂知寿)は周囲を振り回し、名優だが過食症で女癖の悪いワーナー(鈴木壮麻)はオリーブと怪しい関係を持っている。ひとクセもふたクセもある出資者や俳優たちが次々と無理な注文を繰り出してくるハチャメチャな状況に、芸術至上主義でマジメなデビッドは困惑を極める。

そこになぜか、大騒ぎの稽古模様をずっと観察してきたチーチまでが脚本と演出に口を挟んでくる。舞台を完成させたい一心のデビッドは、数々の妥協を余儀なくされその度に頭を抱えてしまうが、チーチの提案は、芸術に縁遠いと思われたが的確な意見ばかりであることに気づく。デビッドと、実は舞台を愛するチーチは、共に苦心して脚本を書き直し、事態は思わぬ方向へと展開していき…。

舞台と人生、どちらが大切か― 大きな選択を迫られた彼らが選ぶものとは!?

日生劇場 ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』

 

自身を"崇高なアーティスト"と信じて疑わない1人の劇作家が、本当の芸術の才能を持つ男に出会い自身の平凡さを自覚する物語。

 

主人公デビッドは「真面目なアーティスト」を謳う売れない劇作家で、過去に書いた作品から2度舞台を上演していますがそのどちらも失敗に終わっています。デビッド曰く「ブロードウェイの安っぽい観客たちにおべっかを使わない」脚本と「演出家と俳優たちにダメにされた」という2作へのトラウマからか、自身の脚本は自身が演出すると言って聞かないためになかなか劇作家として売れず、伸び悩んでいました。

そんな中での舞台上演のオファーにデビッドは晴れやかに前向きに挑みますが、いざ始まってみれば出演者は誰も彼も曲者揃いで中々まとまらないうえに、出資者であるニック・バレンティの愛人オリーブの付き人としてギャングのチーチが稽古場に居座ったりと踏んだり蹴ったりな舞台稽古。なんとか稽古を進めて行くと、今度はチーチによって脚本への口出しが入ります。自分でも納得がいかずに躓いていた脚本に対するチーチの的確なアイデアと自分の脚本よりチーチのアイデアに賛同する周囲に「自分の脚本を守る」ため舞台を降りようとまでします。これほどまでに脚本家の自分と自分の脚本に高いプライドを持っていたデビッドでしたが、結局はチーチのアイデアを受け入れて脚本を書き換えていくことになります。

チーチのアイデアを受け入れながらあくまで自分の手で脚本を書き直すことで保たれていた脚本家としてのプライドでさえも一幕終盤、チーチ本人の手によって台本を紡がれてしまったことで完全に砕けてしまい、それ以降デビッドの意識は一変します。あんなにも誇らしげに、脚本家の自分への自信たっぷりに「この世は僕のもの」と歌っていたデビッドが、二幕冒頭では「僕は卑怯者」と肩を落とし、舞台のプレ公演の成功も素直に喜べません。

その後、何とか二人三脚でこの舞台を大成功させようと奔走しますが、何よりも「完璧な芸術」を求めたチーチが「完璧な芸術」を守るためにこの舞台1番の目の上のたんこぶ・オリーブを強制的に排除したことによってデビッドとチーチは完全に決別します。舞台初日の幕が上がり、舞台裏で祈るデビッドと、オリーブ殺しのためにバレンティ一味に追われるチーチ。大成功に向けて進む本番中の舞台上に銃声が響き渡り、物語はクライマックスへと向かいます。

 

芸術とは何か

一幕序盤 フレンダーの「ここで火事が起きたとして、建物の中から一つだけしか救出できないとしたらどちらを選ぶ?シェイクスピアの現存する最後の脚本か、赤の他人か」という問いにデビッドは「それがこの世に残る最後の一冊なら…シェイクスピアだな!」と答えます。この時点ではデビッドの中で"芸術>人の命"の方程式が確立されていました。何故なら、彼はアーティストだから。ところが物語終盤 デビッドは舞台を完璧にするためにオリーブを殺したチーチに「舞台より、あの女の方が大切か」と問われ「ああ、そうだ」と答えます。頭の中では何よりも芸術に重きを置いていたつもりでも、いざ現実に直面した時には芸術より人の命を優先してしまった、"芸術"のために"常識"を捨て切ることができなかったデビッドが、才能あるアーティストではなく凡人であったという事実が白日の下に晒されたシーンでした。

ヘレンのセリフに「一般市民であることは犯罪じゃないけど、チーチは、作品のために人を殺すほどの才能を持っていたのね」というものがあります。このセリフこそまさにこの物語の核心だと思いました。

芸術とは何か、才能とは何か、真のアーティストが優先すべきは芸術だったのか人の命だったのか。作中ではこれらの問いに対する明確な答えは明らかにされていませんが、少なくとも常識的に、道徳的に考えれば何を優先すべきかは分かりきっているにもかかわらず、犯罪を犯すことになっても"芸術>人の命"という方程式をまっとうする才能を持っていたチーチこそが非凡な才能を持ったアーティストであり、"芸術>人の命"という方程式をまっとうしきれなかったデビッドは平凡な普通の男でしかなかったと描かれる対比に、作品の作り手が芸術と道徳倫理の狭間で抱く葛藤やある種の狂気じみた執念を見ました。その狂気すら良しとされるエンターテイメントの残酷さがたっぷりと込められた舞台裏を、エンターテイメントに生きる役者たちに表現させるという構図もまた皮肉なもののように思えます。ウディ・アレン怖いよ〜。

 

死してなおアーティスト

「本当に素晴らしいアーティストは、死んでからその価値を認められる」

一幕序盤のフレンダーによるセリフです。エドガー・アラン・ポーシューベルトゴーギャンゴッホなど、生前はその芸術性を"異端"として嫌煙され、当人の没後はじめて"芸術"として正当に評価される例は少なくありません。作中のこのセリフ自体は、これまで数々の脚本を書いてきたにもかかわらずなかなか評価されないデビッドとフレンダーの「俺たちはこれからだよ」という意思表明のような形で出されたセリフですが、実際このセリフはブロードウェイと銃弾の物語において大きな伏線となっていたように思います。

生前デビッドのゴーストライターとして脚本を書き直していたギャングのチーチは、ニックの報復を受け死んだ後にデビッドによって真実を語られ、そこではじめて『芸術家のチーチ』がデビッド以外、つまり世間に知られることになります。

「脚本はチーチが書いていた」というデビッドの言葉に驚きを隠せないヘレンの「え、チーチってあのゴリラ?あのチンピラ?」というセリフからも分かるように、生前のチーチはデビッドと観客の前でこそアーティストであったものの、作品中の世間においてはただのギャングでしかありませんでした。まあ前述した芸術家たちの「死後に作品が評価される」ケースと今作におけるチーチの「死後に芸術家としての面を知られる」ケースでは事象に若干の差異はありますが…

チーチを看取った際のデビッドのセリフ「死後の世界があるなら書き続けろよ」にも込められている通り、死んでからその存在と芸術性の価値を世間に認められたチーチですが、死してなお彼の書いた脚本は芸術としてこの世に残り続け、アーティストとしての彼がこの世から消えることは無いのでしょう。

 

登場人物の関係性

デビッドとチーチ

先述した本編での2人の対比についての印象と重なる話にはなりますが、この2人の魅力は何よりそれぞれの持つ性質が何から何まで正反対で異なる部分にあると思います。

 

売れない劇作家のデビッドとギャングのチーチ。

妥協できない生真面目さと頭の硬さゆえに不器用に生きてきたデビッドと、多くに縛られることなく自由に小川の流れに身を任せるように生きてきたチーチ。

水球してたデビッドとテニスしてたチーチ。

芸術の絶対性と自分のアーティスト性を信じて脚本を書き、芸術と常識の狭間で葛藤していくデビッドと、舞台なんてくだらないと我関せずだったのがデビッドの脚本を改善していくうちにどんどん芸術にのめり込んでいき、人の命よりボスの意思より芸術に重きを置いたチーチ。

 

一見すればW主演とは思えないほどに持っている性質の異なる2人ですが、それ故に2人が交錯したとき、デビッドは意地っ張りにならずに妥協する力を、チーチは目指すもののために妥協を許さない力を、互いに相手が持っていて自分に無いものを吸収し合い、2人の人間性の本質がまるで入れ替わるかのように主張が入れ違っていったのがとても面白かったです。

特にスタートラインとして主人公としてはあまりにも地味に思えてしまうデビッドとキャラクターがはっきりとしていて要素の多いチーチの偏ったバランスが段々と水平になっていく過程は見事だなと思いました。オリーブを出すという妥協をしてまで自分の脚本を上演するべきかと渋っていたデビッドはチーチに「時には妥協も必要だ」と言い放ち、「くだらねぇ舞台」と鼻で笑っていたチーチはデビッドに「もっと良いもんができる。俺たちの舞台だ完璧にしてえだろ」と詰め寄ります。作品の題名にもなっている『ブロードウェイと銃弾』はまさしくデビッドとチーチのことなのではないかと感じました。混ざるはずのない2つが混ざり合って同じ軌道を辿り、そしてまた違う夢へと別れていく。夢の通り道であり、夢を持つ人に残酷にもなるブロードウェイでデビッドとチーチが繰り広げた芸術による銃撃戦の結末は悲しい別れとなってしまいました。また違うどこかで出逢えていたなら、表裏一体の2人はきっと良い友人になれたのではないかと思います。

 

デビッドとエレン

※ほとんどが個人的なデビッドへの愚痴です。読んでいてあまり気分の良くない表現もあるかと思いますので、自衛いただけますと幸いです。

デビッドとエレンが仲良くイチャイチャしてるのすごく可愛かったです。が、ピッツバーグの一般家庭の娘を掻っ攫ってきた立場で結婚もせずに10年間も貧相なプレハブ小屋暮らしを強いてる時点でデビッドなかなかのクズ男ぷりを発揮しています。結婚を望む彼女に対して堂々と「結婚ってよく考えないと!自殺と同じだから!」と言えてしまうヤバさ。やばい。
こんなデビッドを愛して献身的に尽くしてくれる健気なエレンがいるにもかかわらず、憧れの女優(アルコール・セックス・窃盗依存症)に色仕掛けされるままにまんまと関係を持ったうえ、ヘレンと関係を持ったことを「まずい」と即座に独身男友達のフレンダーに打ち明けています。「罪悪感で押しつぶされそうだ」とか言ってたけど罪悪感に押しつぶされる気はさらさら無さそう。だって自分のだらしなさが招いた十字架を一人で背負う覚悟もなくすぐに男友達に相談して罪の共有を図ってるもん。結局この後しっかりヘレンにズブズブになってるし。何がヒーリヒーリヒーリヒーリ〜!ハイデハイデハイデ〜ワァオ!♡♡やねん髙木雄也の声じゃ無かったら許されへんからな。
その後エレンにヘレンとの関係を打ち明けるシーンでは「(ヘレンは)素敵な方だもの」と言うエレンに「君も素敵な人だよ!君は悪くない、全部僕が招いたことだ」と返しますが、その前に「仕方がなかったんだよ」って嘆いてるから本心では自分が悪いとは全く思っていなさそうです。仕方のなかったことです。憧れの女優が自分の作品に出演してくれる上こんなにも共に時間を過ごしていたんだもの。マジでヤバい。エレンの着ている服、身につけている小物、トランクにしまう服、全部青いの気付きましたか?デビッドの縁起ものの青を身にまとうエレンに何か思うことはありませんか???
ここまでの仕打ちをしておきながら、エレンが「フレンダーと寝てたのよ」と打ち明けた際には目かっぴらいて「浮気してたのか!?」「何故!」と激昂する始末…どうしようも無さすぎる……友人のフレンダーに対しても冒頭ではあんなにも親しげに互いの主張を分かち合い、ヘレンと関係を持ったことも相談しておきながらいざ浮気相手とされた途端に「共産主義者だ」「しかもベジタリアン」とスラスラ口にするのでまあ普段から互いのことを理解し合ってる友人のつもりでいつつ心のどこかで見下していたんだろうな…最悪じゃん……マズイぞマジでヤバいのはお前だよ……

 

エレンの身につけているものが殆ど青色と前述しましたが、デビッドがエレンにヘレンと関係を持ったことを打ち上け、エレンがデビッドに「私、フレンダーと寝てたのよ」と言うシーンではエレンはライトブルーのタイトなワンピースの上にクリームベージュのカーディガンを羽織っています。まるでデビッドの友人のフレンダーのトレードマークたるベージュのジャケットのような色ですね。この後エレンは荷物をトランクにまとめるとこのカーディガンを脱ぎ捨て、青いチェックのコートを羽織り直してデビッドの元を去ります。「フレンダーと寝てたのよ」と言う言葉の裏にある「フレンダーじゃなくてデビッドを愛している」という気持ちを表す演出だったのかな〜なんて勝手に考えたりしたけど、今となっては演出の福田さんと愛加さんのみぞ知るところです。
二幕ラスト、初日のパーティーでデビッドの元へ戻ってきたエレン(なぜ戻ってきたのかは分かりませんが…)が「私が本当に浮気すると思った?」と聞いた時、デビッドは「えぇ…?」と困惑していましたが私は客席から「エレン信じてたよ!!!」と心の規定外うちわを振っていたのでやっぱりデビッドなんてやめて私と結婚してほしいです。一度やった奴は絶対またやる。

 

最後の歌が終わってカテコに向けて暗転する中で転けたり落ちたりしないように2人手を繋いでぴょこぴょこ帰っていくの本当に可愛かったです。

 

チーチとオリーブ

というか城田優平野綾

面白すぎてつらい。テンポが良すぎる。2人ともプロだから間の取り方がえぐい。むしろこの2人に挟まれて正気を保っているニックがすごい。

もう殆ど中の人の話になってしまいますが、日に日にエスカレートしていくチーチによるオリーブのモノマネ、この後モノマネされるの分かっているから日に日に動きが激しくなっていくプレ公演のオリーブの演技、平野綾にしてやられるままに息を切らしながら暴れ散らかし、笑ったデビッドを平手打ちするチーチ。作品が作品でさえなければきっとM-1も夢じゃなかっただろうに、惜しい2人を亡くしました。

 

デビッドとマークス

というか髙木雄也と加治将樹

プロデューサーのジュリアン・マークスは唯一劇作家のデビッドを買っている人物です。作中デビッドの舞台が上演されることになったのもマークスの力によるところが大きく、デビッドの望むキャスティングを叶えるべく大女優ヘレン・シンクレアの元へ赴いたりと何かとデビッドを支えてくれるマークスの姿が印象的です。稽古場で揉めた時も興奮するデビッドを宥めたり、クラブでデビッド誕生日を祝ってくれたりとマークスからデビッドへの還元の割合が多すぎて、2人の友情の起源が知りたくなってしまいました。

とはいえ劇作家たるデビッドが舞台の成功のためにギャングという悪魔に魂を売ってしまうきっかけを作ったのもマークスに変わりないので、ある意味ではこの2人の関係もまた業の深いものと解釈できます。

 

余談ですが、オリーブにホットドッグの歌(あまり詮索しないでほしい)を披露されあまりの下品さにぴえんぴえんするデビッドがマークスに泣きついているのも、失神するデビッドをマークスが支えて無理やり手拍子させてるのもめちゃくちゃ可愛くて毎公演このシーンをとても楽しみにしていました。大千穐楽のタップダンスも泣いちゃって半ばヤケクソ状態のデビッドを笑いとキレキレのタップでカバーしてくれてありがとう。

 

チーチとヘレン

稽古場だったり舞台裏だったりで実は結構2人でお話してたりするチーチとヘレン。2人とも飲んだら面倒くさそうだし飲んでなくても面倒くさそうだから何かと馬が合いそう。この2人の会話とかいつか簡単に掘り下げてもらえるとすごく嬉しいな〜と思ったり思わなかったり。

 

感想

全体としてとても華々しく煌びやかな演出でまさしく「喜劇」といった印象でした。メインキャラクターは皆しっかりとキャラ立ちされたうえで各々ほぼ平等に見せ場があり、誰に注目しても様々な視点から楽しむことができる作品であったように思います。

福田雄一さんのミュージカル演出は2020年『プロデューサーズ』で一度拝見していました。個人的にはあまり好みの演出ではなく、身内ネタや少し下品なネタも散見されたり、某個性派俳優さんの暴走で本編の設定や流れが崩れかけてしまったり…という印象があったので正直今回も若干の不安を抱えていたのですが、いざ始まってみれば自分が危惧していたほど癖の強い演出もなくアメリカ原作ならではの陽気な騒がしさと品のある下ネタ(?)で、想像の100倍楽しかったです。まあ、あまりにもセックスって言いすぎて初日は私もデビッドよろしく白目剥いて卒倒しそうにはなりましたが…原作の舞台が1900年代のアメリカブロードウェイならそんなもんだよね〜と思える範囲内でした。

生オーケストラの演奏もとても素晴らしく、隅々まで当時のアメリカを意識して作り上げられた世界観に感動しました。

 

パンフレットにも記載されていたようにスーザン・ストローマンとグレン・ケリーによって厳選された劇中歌もさることながら、アンサンブルの皆さんが素晴らしくハイレベルで、開幕に華を添える『♪タイガー・ラグ』や劇中にアクセントとして入れられる『♪恐ろしい夜が来た』や 『♪行くぞ!』など、アンサンブルの皆さんによる圧巻のパフォーマンスがこの作品の大きな魅力だったように感じました。めっっっちゃ楽しかった!

個人的にはチーチありきとはいえ『♪お前にゃ関係ないさ』の男性アンサンブルによる怒涛のタップと歌の迫力に圧倒されましたし、『♪行くぞ!』の女性アンサンブルの皆さんによるヒールでの簡単なタップが軽快で可愛らしくて大好きでした。もうここだけでもいいからフルで映像ください。

 

気になった点

個人的には若干本編で回収しきれていない伏線や「その話どこで出てきた!?」となってしまうようなセリフが少し気になったかな〜と…

デビッドにとってのチーチ

物語終盤、オリーブ殺しの件で舞台初日着前にデビッドとチーチが言い争いをするシーンがありました。その後すぐにチーチはニックに射殺されることになるのですが、つい先ほどチーチに「アンタには電気椅子がお似合いだ!」と吐き捨てたデビッドが、チーチが撃たれた瞬間「ああチーチ!」と駆け寄って息を引き取るのを看取ると「さよなら、チーチ。死後の世界があるなら書き続けろよ。君は素晴らしい芸術家だ」と声をかけます。いつそんなに仲良くなったの…?ついさっきまで罵り合ってたじゃん…芸術家である前に1人の人間であるべきだ!って糾弾してたじゃん…どうしたのデビッド……と頭の整理が追いつかず、モヤモヤしたままラストシーンを迎えました。

さらにそのラストシーンでは、成功した脚本は自分ではなくチーチが書いたものだと打ち明けたデビッドが「彼の名前はアンジェロだよ。チーチはペンネームだ」と言うセリフがあります。知らんかったんだが。いつ聞いたの?アンジェロっていつ聞いたの???

デビッドとエレンの復縁

デビッドとヘレンによる

「アーティストの部分と男の部分を区別できずに困ってたの。だって、アーティストの部分とばかり恋に落ちるんだもの。だから私の元カレはみんな才能あるクズばっかりだったのよ、意味わかる?」

「じゃあ僕も男の部分じゃなくてアーティストの部分に恋をしてたんだ!で、僕がアーティストじゃないから」

「その通りよ。でも、彼女の意見は違うようね」

という会話でデビッドの元を去ったはずのエレンが戻ってきます。なんで?何で戻ってきたの…?フランダーとの話は嘘だったの…?なんで…??この辺一通り理解が追いつかずに物語のクライマックスをずっとモヤモヤしながら観ることになってしまいました…

バナナ!!!!!!

モヤモヤしたままチーチが死に、モヤモヤしたままヘレンはデビッドを手放してエレンがデビッドの元へ戻り、モヤモヤしたままデビッドとエレンは復縁し……からのバナナ🍌えっどういうことだってばよ。ニックおじさん、オリーブ殺されてあんなにブチギレてたのにポジティブ思考だから人生にYES‼︎で前向いてこうぜ〜!!何故ならここはブロードウェイ!!みんなで歌えばハッピーエンド!!!わかんねーよ。

「僕のフレ、僕の友達の」

二幕中盤 エレンがデビッドに「私、フレンダーと寝てたのよ」と告白し、衝撃を受けたデビッドのセリフ「僕のフレ、僕の友達のフレンダー!?」

初日はあ〜髙木くん噛んじゃったな〜と流していたのですが、何回観劇しても一向に治らず「僕のふれ、僕の友達の」と言い直すのでさすがにここまでセリフを噛むのを修正できないのは不自然…ということでこの言い直すところも含めて台本通りのセリフなのかなと。だとしても全く意味がわからん言い直しなのですが、もしかしてもしかして、もしかして「僕のフレンドのフレンダー」って言おうとして言い直させてますか?「フレンド」と「フレンダー」をかけてますか??ちょっとも〜何〜〜??スタッフー!毛布持ってきてーー!!初夏なのに寒いよ。あくまで想像なので違ったらごめんね。

 

私の理解力の問題もあるとは思いますが、私個人としてはチーチが死んでからラストまでのくだりが少し消化不良でした。原作の映画を見ていればまた違った見方や感じ方、さらに理解できた部分もあったのかもしれないので、いつか映画も拝見してまたこの世界を楽しみたいと思います。

 

キャラクター/キャスト

個人的に印象に残ったキャストさんについて少しずつ。分量に偏りがあったりもします。

 

マークス/加治将樹さん

立てばマークス座ればマークス歩く姿は加治将樹

 

2019年の舞台『絢爛とか爛漫とか』以来でした。絢爛とか爛漫とかでは凡人に羨まれる才能の持ち主を演じていましたが、今回は才能を信じる凡人を支える役ということで、個人的に前回拝見した時との対比も楽しめました。あとは城田優加治将樹が並んでる光景はテニミュ2代目青学を感じてエモエモのエモでしたね。とは言え私が実際に観劇したのは2ndからなので当時リアルタイムで追っかけていた方の思いには遠く及びませんが…

舞台プロデューサーのジュリアン・マークスはメインキャラでは無いながらもそのユーモアとコメディシリアスのギャップで圧倒的な存在感を放っていました。

 


相変わらず何言ってるのか分かんなくてオモロい。

 

 

ユーモア溢れるキャラクターを完璧に演じきるだけでなく歌もとても上手で、ヘレンとのデュエットでも大女優の圧倒的なパワーに押し負けることなくしっかりと対抗されていてやっぱり凄いな、実力派だなと思いました。

 

 

ほらもう大女優ヘレン様に押し負けていないどころか大女優ヘレン様の衣装着る気だったんだもん。強い。

千穐楽のオール男性キャストによるタップダンス『♪お前にゃ関係ないさ』もキレッキレのキレッキレでお見事だったし、主演2人がバタバタしてる間センターでバキバキにボディアピールしてくれて思わず「肩にショベルカー乗せてんのかーい!!」と叫んでしまうところだった。

ユー・アー・ザ・プリンス・オブ・加治将樹

 

 

その夢の話詳しく〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

 

エレン/愛加あゆさん

好き〜〜〜〜〜‼️‼️‼️‼️

 

愛加あゆさんは2017年の舞台『グランギニョル』ぶりでした。本当は『マリーゴールド』も見るべきだったんだけどそれはさておき、グランギニョルでの愛加さんの役があまりにもあんまりなところだったので今回はデビッドとすったもんだありながらもキラキラ笑顔のハッピーエンドで本当に良かったです。ちなみにグランギニョル自体はとても面白いお話なのでブロ銃で楽しくて楽しくて仕方ないよ〜ちょっとくらい不幸のスパイス感じてえ〜〜!!という方は是非DVD等でご覧になっていただけると嬉しいです。悲劇を悲劇で煮詰めて不幸をトッピングした地獄みたいな味がします。

 

目鼻立ちがハッキリとしていてとても整っている可愛らしいお顔に、あんなにも細い体のどこからそんなパワーが…と思ってしまうほど力強く感情的な歌唱が圧巻でした。エレンの歌が1番好き。

 

 

Twitter更新も超マメ〜〜〜!!好き〜〜〜!!!

 

優しい〜〜!!真面目〜〜〜!!

好き〜〜〜〜〜〜〜!!!!!

劇中デビッドとの絡みのシーンが多かったエレンですが、髙木くんとつんつくつんつんしてるのも可愛かったしラストのバナナパーティー(バナナパーティーではない)でもクスクス笑っちゃう髙木くんを笑顔で前向かせてたりポンポンしてくれてたりと頼もしすぎて泣いちゃいました。

ご出身が富山で一段と気合いを入れられていました。かわいい。好き。

メモ帳に殴り書きでメモされてた程度のクオリティではありますが、せっかくだったので富山公演での愛加さんのご挨拶

城田「富山出身のスーパースターが…」

愛加「本日はご観劇いただきありがとうございました。私個人的な話になるんですけども、この富山でミュージカルを公演させていただくのが、宝塚を卒業して今回が初めてで、大好きな富山の生まれ育った地でこの素晴らしいカンパニーの皆さまと、こうして皆さまと同じ時を過ごさせていただく今日、こうして幕が開くことができて、今本当に胸がいっぱいです。千秋楽まで頑張ってまいりますので、どうぞ皆さま最後までよろしくお願いいたします」

私が富山になりたい。

 

 

ひたすらに可愛らしくて優しいエレン。

愛するデビッドに見せる笑顔や結婚してくれないデビッドに対する不満、ヘレンと何やら怪しい関係のありそうなデビッドへの疑心など、感情豊かなデビッドと並行して感情の切り替わりが激しいキャラクターだったように思います。またかなり癖の強い他のキャラクターに対してエレンは割と清涼感溢れる佇まいで自己主張が小さめと、周りとのバランスを取るのが難しそうな役だな〜なんて思ったりもしていたのですが、弱すぎることもなく出すぎることもなく、常にデビッドに対して一途で、それでいて自分の中に一本通った芯のある素敵な女性を見事に体現されていて、愛加さんの自然な表現力に脱帽しました。本当に可愛くて大好きだったな〜!!エレン主人公のサイドストーリーが欲しいくらい大好きでした。

 

 

オリーブ/平野綾さん

 

平野綾さん、ミュージカルや舞台でも活躍されているのは存じていましたが、まだ私の中では声優さんとしてのイメージの方が強くて、舞台に立つ平野さんを拝見したのは今回が初めてでした。

 

まあオリーブがすごい。

今作の主人公はデビッドとチーチでしたが、キャラクターとして1番魅力的だったのはオリーブだったのではないかと思います。

事前情報の時点で「ギャングのボスの愛人。キンキン声でろくにセリフも言えない大根以下。ワーナーとも怪しい関係を持っている」って情報過多すぎて胃もたれしそうなのに、幕が上がってみればキンキン声もキンキン声(城田チーチ曰くアニメ声)、飛んで跳ねてケツ振って大忙しな女の子でこれ平野さんしんどくない…?倒れない…??大丈夫??と心配になってしまうほど激しいキャラクターでした。

 

開幕早々ネコの格好してヒールでダンスと歌、終わったらキンキン声でお芝居、また歌、次の場面ではニックと大暴れしてホットドッグの歌、それからまたニックと大暴れ、そして稽古でトンデモ芝居……その全部で頭の悪そうな声の出し方足の開き方、子供のような暴れ方を披露しながら時折見せる妖艶な女性としての顔と、その魅力故にキャストへの負担が大きすぎるよオリーブ……

 

 

99回も演じられていた。

これはさすがのチーチも手強いわ〜って溢すし競走馬のサプリハンパねえなオイ!!!と叫びたくなる。

本当に本当に素敵でした。後ろの席にいたマダムたちが「城田くんかっこいいわねえ〜♡好きになっちゃうわねえ〜♡」「オリーブすごいわねえ」「オリーブすごかったわねえ!あの子上手だわあ」と感動されていたので心の中でめちゃくちゃ頷きました。

 

余談ですが、頭の悪いオリーブの高い声と女性としての魅力に溢れたオリーブの妖艶な声の使い分け、チーチによって沈められたゴワヌス運河から這い上がる時のぶくぶくする音、やっぱり声優さんとしての技術も全部すごくて圧巻でした。

 

 

ヘレン/瀬奈じゅんさん

 

大女優ヘレン・シンクレア様

さすがは宝塚月組トップスターの貫禄…女性的でありながらどこか男性的でもある堂々とした佇まい、圧倒的な声量、どこをとってもまさにカリスマといった感じでとっても素敵でした。

『♪私を見れば』で「この私を見れば 誰でも恋に落ちる」「私に抱かれたくなるわ」と歌っておられましたがしっかり抱かれたくなったのでさすがヘレン様。

 

 
 
 
 
 
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あ、照史やんけ〜〜〜!!瀬奈さん髙木くんのこと「雄也くん」って呼んでらっしゃるんですね…胸がポカポカしました……

「雄也くんは柴犬のような可愛さ、照史くんはゴールデンレトリバーのような可愛さ」と仰られていて、おそらくこの投稿を見た全ジャニオタの気持ちが一つになったと思います。

 

 
 
 
 
 
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瀬奈さん、このようにしてヘレンの素敵な衣装を沢山アップしてくださってるのでご興味ある方は是非ご覧になってください。

 

デビッドも魅了された大人の女性らしい年相応の落ち着きと、その一方でアルコール依存症セックス依存症窃盗依存症と弱点も多ければ自我が強くて破天荒な面も持ち合わせる魅力たっぷりな大女優ヘレン・シンクレア。瀬奈さんの圧倒的な経験値と実力によってより輝いていたように思います。

グラブラで橋本さんが「これまでに見たことのない瀬奈じゅん」と仰られたときに「そうなんですよ。私、そうなんです」と答えられる瀬奈さんがお茶目で可愛らしかったです。

 

 

ニック/橋本さとしさん

 

橋本さんは舞台でのお姿を拝見するのは今作がはじめてでした。映像だと『行列のできる法●相談所』で大●洋に8000円シークレットシューズ買わされたって嘆いていらっしゃったのが記憶に新しいです。

ギャング・バレンティ一味の親玉のニックですが、本編では怖いおじさんというよりも比較的面白いおじさんとしての場面が多く、オリーブとの掛け合いがめちゃくちゃ面白くて大好きでした。

 

あとは個人的に楽しみにしていたのがニックとオリーブの待つ部屋をマークスとデビッドが訪れるシーンでのマークスとの日替わり挨拶なのですが、東京公演では腰に手を回して相撲を取り、そのまま客席にお尻を向けて持ち上げられる&華麗に開脚というえらいことしてたのに、地方公演では握手して「ふぅ〜ん…」抱き合って「ふぅ〜ん…」とちょっと大人しめの演出になっちゃったのが寂しかったです。もっと思い切ってやってほしい!!でも東京千秋楽でマークスにめちゃくちゃにされた後オリーブにまで匂い嗅がれて持ち上げられそうになってたのが本当に面白くて、コロナ禍じゃなかったら大声出して笑ってたと思います。

また大千穐楽でもオリーブと2人でチーチを待つ間、いつもはちゅっちゅするフリだけなのが最後だからかエンジンかかりまくった平野さんに顔中めちゃくちゃにキスされてて、橋本さんがすごい狼狽えながら何とかギャングのボスとしてチーチに凄む間も橋本さんの顔がキスマークだらけでめっちゃ面白かったです。

他にも「ハラワタぜーんぶ引き摺り出してまたちゃーんと元に戻すぞ!」とか「ただのきこりです!はじめましてですよ!!」とかカテコで加治将樹と謎のアイコンタクトとって虚空に手を振っていたりだとか沢山の日替わりポイントがあって、若干橋本さんの日替わりを見るために劇場に行っていたと言っても過言ではないかもしれません。

 

上記の通りとても愉快なニックおじさんですが、いくら親しみやすい愉快なおじさんに見えていても本職はギャングの親玉、シリアスなシーンでの重厚感のあるお芝居のギャップに鳥肌が立ちました。

とても楽しかったです、また機会があれば舞台でのお姿を是非拝見したいなと思いました。

 

 

 

チーチ/城田優さん

 


ミュージカルの城田くんは2016版『エリザベート』をDVDで見たのと、2019年『ファントム』を観劇した以来でした。初めて見た時は「大きい〜!上手い〜!!大きい〜!!かっこいい〜〜!!」でいっぱいだったのですが今回も普通に「大きい〜!上手い〜!!大きい〜!!かっこいい〜〜!!」でいっぱいでした。だって大きいし歌も芝居も上手いし何よりマジでかっこいい。仕方ない城田優だから。和樹元気してる?

 

城田くんはブロードウェイと銃弾2018年の初演からの続投ということで、やはり抜群に安定したチーチでした。私は恐縮ながら2018年の初演は観劇していないのですが、YouTubeにアップされている初演のダイジェスト映像からさらにチーチの品のなさと徐々に浮き彫りになる人間らしさの表現をブラッシュアップされてきた印象でした。

大きな体を存分に利用した威圧感、粗野な話し方、低音から高音まで幅広く安定した歌声と「この人、出来ないこと無いのかな!?」と顎が外れそうになってしまうくらいに完璧で、それでいてカテコでは洗練された言葉遣いとさまざまな面に配慮した言葉選びで素敵な挨拶をされていて、役者としても人としても大きなその背中で今回のカンパニーをしっかりと引っ張ってくださっているように感じました。

 

エレンの歌の次に大好きなのがチーチと男性アンサンブルの皆さんによる『♪お前にゃ関係ないさ』なのですが、これが本当に楽しくて!いややってる方はめちゃくちゃしんどかったとは思うんですけど…。城田チーチの威圧的で力強い歌声と長い手足を可動域いっぱいに動かしたダンスにタップ、どこをとっても感動しかなくて、「これがエンターテイメントだ」と心に直接語りかけられているかのような衝撃を受けました。これを見るために今日まで生きてきたのかもしれないとすら思いました。これもフルで映像くれ〜!!せめて「日曜には懺悔して 月曜には家燃やす」だけでも音声くれ〜〜〜!!!!

 

また今回はミュージカル初挑戦となる髙木雄也とW主演ということで、お芝居や歌の面ではもちろんのこと、精神面でもかなり髙木くんのフォローに回ってくださっていました。

私が髙木くんのファン目線で今作を追いかけていたので余計にそう思ったのかもしれませんが、念願とはいえはじめてのミュージカルで出来ないこともたくさんあれば他の仕事との兼ね合いもあり…といっぱいいっぱいになっていたであろう髙木くんを常に気にかけていてくださったらしく、髙木くん曰く

  • 稽古場ではずっと空気がピリつかないようにわざとふざけたりして和ませてくれていた。
  • 自分がガチガチに緊張しているのを見つけては「雄也はミュージカル一年生なんだから、言われたことを素直にやってれば大丈夫」「怖がらずに楽しんで」「ミュージカルを嫌いにならないで」と声をかけてくれていた。
  • チーチがデビッドの背中でノートを書くシーンの稽古で、ノートにアドリブで「ファイト!」と書いてくれて泣きそうになってしまった。
  • 舞台上ですれ違う際に声をかけてくれていた
  • 「雄也は主演とか意識しないで楽しんで、俺が全部背負ってあげるから」と言ってくれて凄く気持ちが楽になった。

などなど、書ききれていないエピソードもまだ沢山あるかと思いますが、とにかく優しい人なんだなと。城田くん自身もブロ銃と並行して様々なお仕事があったり翌々日?くらいからは次のSHOW TIMEを控えていたりとかなり忙しかっただろうと思うのですが、自分を顧みずに周りを大切にできる人ですごい。頭ではこういう人間になりたい!と思ってもなかなか実行できることではないだろうし…あらゆる器が大きくて本当に素敵な人だなと改めて大好きになりました。

 

 

ゆうやを支えてくれてありがとう…大千穐楽でも泣きじゃくって上手く話せない髙木くんを見てすぐに間をつないでフォローに回ってくれました。

 

 

あとご本人もさることながらofficialスタッフの仕事デキるっぷりがすごい。ワタナベからのスタッフさんだったりするのでしょうか、さすが……

 

 

 
 
 
 
 
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デビッド/髙木雄也さん

舞台に立つ髙木くんは今作が初めてでした。

前々からドラマなどで何度か演技する髙木くんを拝見していたのですが、正直私は髙木くんの演技が苦手で…単に演技が得意でないとかそういう意味ではなくて、本人が涼しげで飄々とした佇まいでいるのに対して声がかっこよすぎてこう、画と音声にズレを感じてしまうというか、「なんだこのカッコいい声!?アテレコ!?」と思いながら見てしまうことが多くて、それでいてセリフの言い方もクールすぎていや現実にこんなイケイケな男いてたまるかいと違和感を覚えてしまいがちでした。

加えて今回は初挑戦のミュージカル、周りはミュージカル界の大ベテラン揃いという場所に放り込まれるわけだから、髙木くん本人ももちろん緊張していたと思いますが何故か私までめちゃくちゃに緊張していました。が、幕が上がった舞台上に現れたのは髙木雄也ではなく紛れもないデビッド・シェインで。何の違和感も無くただそこには売れない劇作家のデビッド・シェインがいました。

個人的に、髙木くんは映像よりは舞台上でのお芝居の方が向いているのかなと思ったりしました。頭が小さめで背が高く、肩幅が広くて足が長い舞台映えするスタイルに低いながらも通りやすい耳馴染みの良い声が劇場でのお芝居ととても相性が良いのでは…!また、少しキザで良い意味で仰々しい話し方や動作も今作のような海外原作の舞台に向いている気がしました。物静かで荘厳な雰囲気になりがちな日本の作品に対して、海外の喜劇などでは割と大袈裟なセリフ回しや表現が多く使われているように思います。

また私は個人的に舞台で活躍する役者さんの演技では眉毛の果たす役割がとても大きいと感じていて、というのも、舞台は映像作品とは違って双眼鏡やオペラグラスで意識して注目しない限り基本的に役者さんの細かい表情は見えにくく、視線を動かしたりといった感情表現は伝わりづらい。だからこそ見えやすい部分での表現がとても重要になります。多分。素人観だけど。その点髙木くんは眉毛の可動域がとても広く、今回のデビッドのような感情表現が豊かなキャラクターとはとても相性が良いように感じました。

 

また一番の関門だったであろう歌も見事に歌いこなしていました。正直な話、エレンやヘレンとのデュエットでは少し押し負けて聴こえてしまう部分もありましたが、不満を抱くほどの物足りなさは無く、個人的な印象で言えば「あ」の音や「お」の音でのロングトーンはとても綺麗に伸びていて感動しました。私は『♪マジでやばい』が好きです。あれめっちゃ上手だし右往左往してて可愛いよね〜!有岡くんと中島くんもあの歌が一番好きって言ってました。気が合うね、どこ住み?LINE交換しない?

ちなみに1番好きなデビッドのセリフは「体操のお姉さんが可哀想だ!」、1番鳥肌が立ったデビッドのセリフは「ここは自由の国だ!」です。

 

髙木くんが過去に出演していた『薔薇と白鳥』『クイーン・エリザベス』は観劇できておらず、やっとの現代日本が舞台だった『裏切りの街』も中止となってしまった手前私が偉そうに言えることではありませんが、次の機会があるなら是非今作のようにジャンジャカ騒がしくて楽しいミュージカルに出てみてほしいかぎりです。

 

https://www.johnnys-web.com/s/jwb/diary/detail/146023?ima=4505&cd=575#diarid146023

 

念願のミュージカル。初めて挑戦するミュージカル。

右も左も分からない中、過去に一度上演されている作品の再演で、自分の役を過去に演じた人がいて、周りは数々のミュージカルに出演されてきたベテラン揃い。本当に私たちには想像もつかないようなプレッシャーだったと思います。

ミュージカルの稽古が始まってもアイドルとしての活動は通常通りに進み、半年がかりのプロモーションの終着点となるライブの実施、新曲CDの発売と、私たちには想像もつかない忙しさだったと思います。

普段あまり雑誌のような媒体で「つらい」など弱音を言葉に残すことがない髙木くんが、4月から5月にかけて発売される沢山の雑誌の中で何度も「本当につらかった」「大変だった」と答えていたのを見ました。グループのメンバーから「常に楽譜を持ち歩いている」「別の楽屋でミュージカルの曲に集中してる」といった話も沢山聞きました。

髙木くん本人が泣きじゃくって言った「最初は本当に辛くて」が忘れられません。本当に本当に沢山、辛いことや大変なこと、逃げたくなるようなことがたたくさんたくさんあったと思います。

それでも最後には笑顔で「ミュージカル、すごく楽しいです!」と伝えてくれました。最後の最後、上手に引っ込みながら「幸せだった〜!」と伝えてくれました。

髙木くんの初めての挑戦と幸せをお裾分けしてもらうことができて本当に幸せでした。たくさんの幸せをありがとう。お疲れ様でした。

 

舞台に立って一人スポットライトを浴びながら、この世は僕のものと歌い上げる髙木くんは、きっとあの時世界中の誰よりも輝いていました。

 

https://www.johnnys-web.com/s/jwb/diary/detail/147266?ima=2627&cd=575#diarid147266

 

 

おまけ:関連メディア

仕事ができすぎる東宝とワタナベ

SNS更新はまかせて!

 

とっっ東宝〜〜〜〜!!!!SNS更新がマメ〜!!宣伝も手厚い〜〜〜〜!!!!!

 

 
 
 
 
 
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ワタナベ〜〜〜!!!お前ってやつは〜〜〜〜〜〜!!!!!!

SNS更新がすごいし内容も良いしタイミング最高

 

ブロードウェイと銃弾2021ダイジェスト映像

ミュージカル『ブロードウェイと銃弾』2021年公演プロモーション映像 - YouTube

 

ジャニーズの出演もあって正直映像は諦めていました。こんなに嬉しいことはない。本当にありがとうございます。擦り切れるほど見ます。

 

6/19日夜公演 配信決定

 

コロナ禍での公演、行きたい気持ちを抑えて自分のために誰かのために観劇を諦めた方がたくさんいらっしゃったと思います。

海外で生活されていたり、公演地からは遠く離れた地方で生活されていて行きたくても行けなかった方がたくさんいらっしゃったと思います。

著作権等の利権に非常に厳しい海外原作の作品、本当に難しい判断だったと思います。全ての方に最高のエンターテイメントを提供し、一緒に楽しむチャンスをくださったこと、心よりお礼申し上げます。

 #おうちでブロ銃 とっても楽しかったですね!

 

関連雑誌

 

関連テレビ番組

 

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高木雄也が念願のミュージカル初挑戦「100%でぶつかっていきたい」 - ジャニーズ : 日刊スポーツ

城田優 福田雄一演出のコメディミュージカルに緊張?「歌よりも笑いのシーンのほうが…」 - フジテレビュー!!

https://nordot.app/765107474260328448

城田優×高木雄也、W主演ミュージカル開幕「今は無理だけはしないでください」 | ORICON NEWS

https://news.yahoo.co.jp/articles/17945d1f53e4a41390559688042e87b099543bfc

 

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2021年

新型コロナウイルスの流行。緊急事態宣言の発令と度重なる延長によって劇場は封鎖または入場制限を設けられ、数々の舞台やミュージカルが中止や延期に追い込まれました。

ブロードウェイと銃弾もその影響を受けた作品のうちの1つです。本来であれば2021年5月10日の17:00にブロードウェイと銃弾の初日の幕が上がるはずでした。東京や大阪への緊急事態宣言の発令により5月10日と11日の公演は中止、それ以降の上演は見合わせとなります。

5月10日、11日のチケットを握っていた方々のお気持ちは察するに余ります。

 

 

城田くんは本当に人の繊細な心に優しく寄り添うのがとても上手な人だなあと、何度も何度も読み返しました。髙木くんもラジオで「2日遅れてしまったことはとても残念だけど、その分より良いものを届けられるようにさらにブラッシュアップします」と伝えてくれていました。

人の心を大切に思い寄り添ってくれる2人が主役で本当に幸せでした。

 

 

5月12日  初日挨拶

城田「本日はミュージカル ブロードウェイと銃弾 初日にご来場いただき誠にありがとうございます。本来ならば一昨日初日を迎えるはずだったんですが、まずは無事にこうして初日を迎えられたこと、そしてお客様にお見せできていることに、スタッフキャスト一同本当にまずはホッとするような思いと共に、本当に幸せな時間を過ごさせていただきました。これが、あと何回続けられるか、本当に明日も分からないところはありますが、それでも前を向いて、きてくれた皆様に、笑いや、笑顔や元気をお届けできるよう、カンパニー一同気を引き締めて、これからも千秋楽まで頑張っていきたいと思っております」

 

6月20日 大千穐楽挨拶

城田「先月、東京で2日遅れて初日を迎えたこの公演も、今、こうして幕を閉じようとしております。何よりもこのご時世、実際に舞台に立ち、舞台で芝居をする我々にとっても、そしてそれを主催し、まとめていくスタッフの皆様にとっても、そしてオーケストラの皆様にとっても、何よりも、実際に劇場に足を運び、こうして共に、この素晴らしいエンターテイメントというものに、触れることを選択してくださった皆様、それぞれが沢山の、葛藤や、色々な思いが詰まった期間でした。これは言葉ではうまく言い表せないですし、きっと皆様も、そういった何かしらの心情を抱えながら、劇場に来てくださったのではないかなと、思っております。毎公演東京から、毎公演毎公演本当に、お客様の大きな拍手と、笑い声が、こんな時に公演をやっていいんだろうか、とか、様々な思いが巡る中で、皆様のこの愛が僕らをここまで連れてきてくれました。本当にお客様の存在が無ければ我々は舞台に立つことができません。そんな中奇跡的にここまでやれたこと、本当に心から、スタッフキャストカンパニー一同オーケストラも含め、本当に心から、感謝と同時に今、晴れやかな安堵の気持ちでいっぱいです。重ねてお礼申し上げます、ありがとうございました」

 

自分の記憶力頼りのメモなので所々実際と異なる部分があるかと思いますがご容赦ください。

 

髙木くんの初めてのミュージカルの相棒が城田優くんで本当に良かった。背中を押して、舞台へ引っ張り上げてくれた仲間がこのカンパニーの皆さんで本当に良かった。世界中がひどく薄暗くなり、外出や交流が制限され、SNSの発展の副作用として人と人との繋がりが希薄になりつつあるある世の中で、こんなにも幸せと笑顔に溢れた心の繋がりをこの目に見納めることができたこと、本当に幸せなことでした。私個人の人生においてとても貴重で大切な時間でした。

 

 

1人で部屋に閉じこもることが推奨されざるを得ないこんなご時世だからこそ、エンターテイメントは必要だと思います。眩く煌びやかな世界に触れることで生まれる笑顔と幸せがあります。エンターテイメントに救われた心が、命がたくさんあると思います。

 

 

ミュージカル ブロードウェイと銃弾

重ねてになりますが、とってもとっても楽しかったです。たくさんの幸せをありがとう。

カンパニーの皆様の益々のご活躍を心よりお祈り申し上げます。

 

 
 
 
 
 
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